Programmable Federation Architecture

プログラマブル・フェデレーション・アーキテクチャ

Node-REDを活用した異種スマートシティ基盤の社会状況に応じた柔軟な接続技術


CityFederが提供する3つの機能


スマートシティ基盤群をつなげる意義とその技術


名古屋大学および慶應大学では、これまで5年以上に渡り、国内また日欧連携のスマートシティに関する研究プロジェクトに携わってきました。 特に、実空間・情報空間に埋もれる無数の情報を、リアルタイムなセンサデータとして取得、共有し、活用・分析することで自治体業務の効率化や一部プロジェクト期間を超えた実用化を達成してきました。扱うセンサ種類としては100種類以上、一日50GB以上のデータを収集・流通可能な状態にしております。 例えば、神奈川県藤沢市においては毎日のゴミ収集業務に我々が構築したシステムが導入され、日々の業務を2時間以上短縮しつつ、得られたデータを解析することでこれまで誰も知らなかった都市の事実を徐々に明らかにしてきました。一つの例として、ゴミのだし間違いが多い地域、というのは、従来若者が多い地域はルールを守らない、高齢者が多いとルールを守ってくれる、ということが言われていたのですが、3年間の効率化された自治体業務から副次的に得られたデータ収集とその分析の結果、最も関係性が強くでるのはオートロックやセキュリティ機能の高いマンションなどがその地域に多いと、ゴミの出し間違いが多い傾向となる、という事実が明らかになりました。こういったデータオリエンテッドな知見を自治体業務や行政計画にフィードバックすることが、今後期待されています。
本プロジェクトでは、こういった既に運用状態にある異なる都市のスマートシティ基盤を、どうつなげるか、それで何ができるようになるか、という疑問に答えていくことになります。これを、アーキテクチャ同士をつなぐためのより上位概念の、メタアーキテクチャと名付け、その確立を目指しています。この実現のためには、どう繋げるのか、という純粋な接続機能を実現するだけでなく、どういう状況でつなげるか、ということが同時に重要となります。平時で共有すべき情報と、有事で共有すべき情報は各組織のポリシーやセキュリティ・プライバシに関する考え方によって異なります。我々のいう「プログラマブル・フェデレーション」は、まさにこういった観点を考慮したメタアーキテクチャを提供し、他実証やA-1プロジェクトにフィードバックしたいと考えています。
我々のいうフェデレーションの定義とは、「異なる組織から運営されるスマートシティ基盤同士が、共通のポリシー<社会状況とその状況に対応したセキュリティ・アクセス権>によってデータおよび機能の挙動を制御できること」を指します。例えば、気象庁が出す警戒レベルに応じて、すべてのデータストリームに対する接続許可を出すのか、稠密な気象情報のみだけ接続許可を出すのか、などといった状況に応じたフェデレーションを実現します。本研究では特に中部地域と、関東地域のスマートシティ基盤をどうつなぐか、いつつなぐか、そしてつないだときに何が嬉しいのか、という3点に関して取り組みます。離れた地域をつないだときに何が嬉しいのか、というのは難しい問題ではありますが、特に、中部地域と関東地域は2027年にリニア中央新幹線で40分でつながることになるため、そこには広域につないだときに嬉しいサービスやアプリケーションが必ず存在すると信じ、プラットフォーム構築とアプリケーション・シナリオ構築の同時並行でプロジェクトを進めております。 このプログラマブル・フェデレーションには、オープンソフトウェアでフローベースのビジュアルプログラミング環境、Node-REDをコアな基盤として採用・拡張いたします。Node-REDは先日version1.0が公開されましたが、多種多様なプロトコルに対応したノードとよばれるコンポーネントを有し、様々なプラットフォームの相互接続の基礎となる機能を提供可能であると考えております。特に、スマートシティ分野だけでなく、既存の開発コミュニティ(Node-RED日本ユーザ会など)とも連携していければと考えております。



謝辞
本プロジェクトは内閣府/ 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術 "異種スマートシティ基盤のプログラマブル・フェデレーションによる広域人流把握・活用実証" (2019) の支援のもとで行われています。

リンク
名古屋大学河口研究室
慶應義塾大学中澤研究室